【公開整備】ボルティー スタータークラッチのボルト脱落

SUZUKI ボルティー エンジン不動

入荷時、エンジンが始動しなくて、スターターリレーやスターターモーター、スタータースイッチなどを点検しましたが、不具合が見つかりませんでした。調べていくと、このエンジンは、スタータークラッチのボルトが脱落する事例が多発しているようです。

クランクケースカバーを外したところ

エンジンオイルを抜いて、クランクケースカバー(マグネットカバー)を外します。

マグネットローター

フライホイールと言うか、正式にはマグネットローターと言うみたいです。発電機のローターなので。画像右側の、クランクケースカバーに付いている、コイルが巻いてあるヤツがステータですね。

マグネットローターを外すのですが、特殊工具が必要です。

フライホイールプーラー

こちらの特殊工具が必要です。楽天で買えます。

フライホイールプーラー M35×1.5

マグネットローターを外したところ

マグネットローターが外れました。

マグネットローターの裏側を見てみます。

マグネットローターの裏側(スタータークラッチ)

マグネットローターの裏側に、ボルト3本でスタータークラッチが固定されています。そのうちの1本が脱落しています。

ボルトが1本無いです。他のボルトも緩んでいます。スタータークラッチ本体も傷が付いています。ボルトが抜けてかき回されたようです。

スタータークラッチのボルト

このボルトがギヤに挟まって、スターターモーターが回転出来なかったことが原因です。

メーカーの締め付けトルクが小さいためでしょうか。普通に走行していて緩むのは問題です。

抜けたボルト

抜けたボルトが無残な状態です。

この画像で、他のボルトも緩んでいるのが分かります。

スタータークラッチ

ボルトを新品に交換して、強めに締め付けました。

ローラーやピース、スプリングも新品に換えました。

スタータークラッチ本体が傷付いていますが、問題ない箇所なので、このまま使用します。

後は、逆の手順で組み付けて終わりです。

無事にエンジンが始動するようになりました。過去に販売したボルティーやグラストラッカーが心配です。エンジンが始動しなくなったらご相談を。

LINE査定も好評です!気に入ったらイイね!