【公開整備】グラストラッカー オイル漏れ修理

当社在庫のグラストラッカーですが、オイル漏れが酷いので修理します。在庫2台共オイル漏れしています。ボルティ、グラストラッカー、ST250は今回修理する所が弱いみたいですね。過去に売ったST250、グラストラッカー、ボルティが気になります。作業は難しいものではないです。

グラストラッカー シリンダーヘッド

このようにプラグ廻りがオイルで汚れています。

タンクを外し、シリンダーヘッドカバーとフレームを固定しているステーも外します。

シリンダーヘッドカバー

シリンダーヘッドカバーを固定しているボルトを外すのですが、赤丸のボルトを忘れずに外します。ここは、バルブクリアランスを調整するためのフタを外したところです。フタを外さないと気付かないです。こちらは排気側です。

シリンダーヘッドカバー

こちらは吸気側です。こちらも忘れずに外します。

シリンダーヘッド

シリンダーヘッドカバーを外しました。

カムシャフトやバルブスプリングが見えます。

シリンダーヘッドカバー

シリンダーヘッドカバーを裏返した画像です。

ロッカーアームが見えます。

ロッカーアームシャフト

ロッカーアームシャフトを引き抜きます。

ロッカーアームとロッカーアームシャフト

ロッカーアームシャフトのOリングを新品に交換します。

吸気側と排気側、両方交換します。

シリンダーヘッド

シリンダーヘッドの合わせ面を綺麗にしました。

スクレーパーを使って古いガスケットを完全に取り除きました。

シリンダーヘッドカバー

シリンダーヘッドカバーの合わせ面も綺麗にします。

画像にヤスリが写っていますが、ヤスリを使った訳ではないです。スクレーパーで古いガスケットを完全に取り除きます。

クランクのフライホイール側

シリンダーヘッドカバーを組み付ける前に、クランクを圧縮上死点に合わせます。

理由は、バルブスプリングがフリーのタイミングで組み付けたいためです。バルブスプリングが作動しているタイミングだと、カムシャフトにバルブスプリングの反力が加わっているので、シリンダーヘッドカバーをうまく取付け出来ないからです。

フライホイールの合わせマーク

クランクを回して、フライホイールに「T」とマークされているところを、ケースの▽に合わせます。その時が上死点になります。

圧縮上死点か、排気上死点か判断するには、カムを見ます。

排気上死点の時のカム位置

カム山が上を向いています。カムの上にはロッカーアームがありますので、ロッカーアームを押し上げている状態です。ロッカーアームのカム側が押し上げていると言う事は、シーソーの原理でバルブを押し下げています。バルブが作動していると言うことです。

(画像は合わせ面清掃前のものなので、古いガスケットがそのままになっています。)

圧縮上死点の時のカム位置

カム山が下を向いています。ロッカーアームを押し上げていない状態なので、バルブが作動していません。その時の上死点なので、圧縮上死点となります。

(画像は合わせ面清掃前のものなので、古いガスケットがそのままになっています。)

シリンダーヘッド

シリンダーヘッドの合わせ面に、液体ガスケットを塗布します。塗布する前に、合わせ面をパーツクリーナーで脱脂します。

シリンダーヘッドカバーのボルト

シリンダーヘッドカバーを取付けるのですが、注意が必要です。赤丸のボルトは、シリンダーヘッドカバーを載せた後だとフレームに当たって入れれないボルトです。シリンダーヘッドカバーを組み付ける前に、シリンダーヘッドカバーにこのボルトだけ先に入れておいて、シリンダーヘッドカバーを取り付けます。

(画像はバラす前の写真です。)

あとは、バルブクリアランスを調整して終わりです。

2台目のグラストラッカーのシリンダーヘッド

こちらは2台目のグラストラッカーです。

エンジンをかけるとオイルが燃えて煙が上がります。

2台目のグラストラッカーのシリンダーヘッド拡大図

バルブクリアランス調整用のフタに、液体ガスケットを塗ってシルバーに色が塗ってあります。シリンダーヘッドカバーを開けずに修理した痕跡です。外側から液体ガスケットを塗っただけでは漏れを抑えることは出来ないです。インチキせずにシリンダーヘッドカバーを外して修理しましょう。

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