【修理依頼】スズキ レッツ4 簡易カーボン除去→ピストン交換

お客様より、信号待ちでエンストしたとの連絡を受けました。現場に駆け付けると、エンジンがかかりません。圧縮が弱い事から、バルブのカーボン嚙みを疑いました。
まずは、現状の圧縮圧力を測定します。
プラグを外して、
こちらのコンプレッションテスターセットで測定します。
コンプレッションテスターセットをプラグホールにセットします。
スターターモーターを回して、圧縮圧力を読み取ります。サービスマニュアルには、以下の記載がありますので、それに従って行ないましょう。
・スロットルグリップを全開する。
・スタータスイッチを2~3秒押し、ゲージの最高値を読み取る。
結果は、625kPaでした。かなり低いです。サービスマニュアルは下記の値です。
標準:1600~2000kPa
限度:1200kPa
簡易的にカーボンを除去する方法を試してみます。
エンジンコンディショナーをプラグホールから注入して、燃焼室を洗浄する方法です。
注入したらしばらく浸け置きして、スターターモーターを回してプラグホールから吐き出させます。
これを何度かやって、さらに一晩浸け置きして、再度圧縮圧力を測定します。
結果は750kPaでした。(測定値の写真を撮り忘れました)
全然ダメなので、バルブを外して手で洗浄することにします。
作業手順は、過去の投稿に記載がありますので割愛します。
シリンダーヘッドを外したところです。
さらに、バルブを外したところです。EX側がひどいですね。
エンジンコンディショナーとナイロンたわしで、カーボンを除去します。
燃焼室もナイロンたわしで洗浄します。
そして、エンジンを組み上げて、圧縮圧力を測定します。
結果は、950kPa。
一応エンジンはかかりますが、走りがイマイチです。ダラダラ走る感じです。一般的な中古車の走りですね。
圧縮圧力が規定値外なので、ピストンとピストンリング、オイルリングを交換する事にします。
面倒ですが、もう一度、車両からエンジンを下ろします。
左が外したピストンで、右が新品です。
新品ピストンを組み付けます。ピストンリングは以下のように注意して組付けましょう。
スーパーゾイルをたくさん塗布しています。
エンジンを組み上げて、圧縮圧力を測定します。
結果は、1510kPaでした。
標準値まで上げたいところですが、これだけ回復すれば十分です。
テスト走行したところ、トルクがだいぶUPしています。
ダラダラ加速していたのが、グイグイ加速していきます。坂を登っていきます。素晴らしいです。
レッツとアドレスV50のオーバーホールは、だいぶ慣れました。
今度は、ホンダTodayをトライします。